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ミャンマー株、証券取引所発足も「上場企業ゼロ・外国人投資不可」の状態が続く

ミャンマー証券取引所が発足、本格運用はまだ先

ミャンマーの証券取引所(ヤンゴン証券取引所:YSX)の発足にあたり、上場の鐘が鳴らされたり、お祝いムードの紙吹雪がまかれる予定は無い。取引する株も今のところ見通しが立っていない。

ミャンマーが経済改革のめまぐるしい変化に適応しようとし、アジアの高成長をとげるフロンティア市場に追い付こうと巻き返しをはかる中で、かつての軍事政権による停滞を今世界の市場に対して推し進めて行こうとすることは、時期尚早だったかもしれない。

yangon stock exchange Myanmar YSX
ヤンゴン証券取引所の前で新聞を読む少年

株の取引や購入を行うことのできる条件付きのライセンスを持つ証券会社10社のほぼすべて、まだ稼働する準備が整っていない。そして地元企業が株式を売る要件が整ったとしても、海外の投資家はミャンマー株を購入することができない予定だ。

ミャンマーがスマートフォンやATMの機械、民主的な選挙といった新しい出来事を取り入れる中で、ヤンゴン証券取引所(YSX)の株取引は当初国内に限定された閉鎖的なものとなる。

新しい証券取引所の責任者である財務副大臣Maung Maung Thein氏は、「ミャンマーが証券取引所を発足させようと、早まっているのでは決してない」と述べた。企業が事業を展開するにあたり、その一助なる「重要な進化」であると語る。

ミャンマー初の証券取引所、外資の流入を期待

「ヤンゴン証券取引所が開設される日に、株取引も開始されなければならないということはありません。今が開設する適切な時なのです。67年間も独立した国でありながらミャンマーでは証券取引所が無かったのです。今始めなければ手遅れになります」氏は、インタビューの中でロイター通信社に対して述べた。

ミャンマーの軍事政権が2011年に半民政政府に政権を譲ったことがきっかけで、人口5,100万人でほぼ未開発の農業、鉱業、エネルギー資源に引き付けられた海外投資家の関心を呼び込み、経済の広範囲にわたる自由化がもたらされた。新政治体制のもと、民間部門では銀行業、観光業、繊維産業や建設業などの分野で、少ないものの成功を収めている事例もある。

外国勢もミャンマーの高い成長を期待

Asia Frontier CapitalのThomas Hugger氏によれば、ミャンマーは高い成長を見込めるターゲット市場で、外資の規制が撤廃されれば経営状態のよい企業に「大変興味がある」という。

ほとんど知られていないが、ヤンゴン証券取引所(YSX)は店頭市場である「ミャンマー証券取引センター」に続く二つ目の取引所だ。同店頭市場には19年間の歴史があり、上場されている2企業の株価がホワイトボードに手書きされ運用されている。

新しい証券取引所が取引を始めた時点で、この店頭市場(ミャンマー証券取引センター)の運用が継続されるかどうかはまだ明確ではない。

ヤンゴン証券取引所に対する日本の出資

ミャンマーの経済の多くの分野に広くみられるように、新しい電子的な証券取引所(ヤンゴン証券取引所)は日本の専門知識や助けを得ながら設立され、日本取引所グループと大和証券グループが取引所の49%の株を握っている。

「ミャンマーの経済が開放され、資本市場がさらに発展すると確信しています。この取り組みを支援するのが私たちの役割です」と、大和証券の広報担当者は述べた。

ミャンマー連邦共和国における証券免許取得について (大和証券グループ)

一方でミャンマー経済銀行(MEB)がYSXの51%の株を保有していることが将来的な障害となる可能性がある。MEBが前軍事政権とつながりのある米国財務省が認めた団体のリストのうちの金融機関一つとされているためだ。これが取引所に関心を寄せている米国の企業やファンドにとって問題を引き起こす可能性がある。

近日中に外国人向けにもミャンマー株の取引を開始

Maung Maung Thein氏は法律がすぐに修正され外国人でも株式を購入できるようになると確信しており、6社の「大変優良な企業」が上場するために選定されたという。具体的な企業名については明言を避けたが、氏は2月下旬から3月上旬にかけて外国人向けにも取引が開始される予定だと述べた。

ミャンマーの複合企業(コングロマリット)First Myanmar Investmentは、YSXへの参加希望を正式に表明した。同社のオーナー企業であるSerge Punはシンガポールに上場されている住宅開発業者のYoma Strategic Holdingsを傘下に置く。

地元のメディアは 『Myanmar Citizens Bank、Asia Green Development Bank、Thilawa SEZ Holdings( ティラワ経済特別区・ホールディングス)らが上場に関心がある』と報道した。Thilawa SEZ Holdingsは政府と日本の合弁企業が共同で運用する新しい経済特区を管理する団体である。

ラオス・カンボジアの証券取引所は苦戦中

2011年にアジア地域の未開拓市場で同様の取引所が開設されたが、いずれも事態が好転しておらず苦心している。ラオスの取引所の上場企業は4社、カンボジアの取引所の上場数は3社にとどまっている。Maung Maung Thein氏はミャンマーの取引所はこれよりも急速に拡大するだろうという。「国ごとに経済力が異なるため、比較はできません」氏は付け加えた。

YSXプロジェクトに近い情報筋によれば、ミャンマー株には非常に大きなチャンスがあるものの、当局は経験が浅く、取引の時間枠が現実的でないという。株価の動向も読めない。

情報筋によれば「専門知識を持つ人は誰もおらず、取引開始が一晩で簡単にできると期待されている」という。「きちんと手順を踏んで進める必要があります。急いで事を運びすぎています」とヤンゴン証券取引所当局は非公式ながら懸念を示している。(ロイター通信社)

元記事:Myanmar’s Stock Exchange Open, but Not for Business
【2015年12月10日 記者:Martin Petty 】

追記:従来の予定通り、ヤンゴン証券取引所が開設されました

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