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【特別コラム】9歳児が働く。ミャンマーの児童労働問題

好景気の陰、ミャンマーの児童労働

ヤンゴンの桟橋に砂利を乗せた船が停泊すると、14歳のAung Htet Myat君は籠をいっぱいに詰めた後、それをトラックまで背負って運ぶ。トラックは少年の背負った荷物を成長著しいミャンマー国内で次々に誕生している建設現場へと運ぶ。

作業の仲買人は少年が一つの籠を運ぶごとに棒を与え、少年はベルトにくくりつけられたペットボトルにその棒を入れる。繁忙期には最長24時間となることもある勤務が終了すると、少年は棒を換金する。100籠運んでおよそ2.50米ドルだ。

Child labour worker Myanmar

(写真)ヤンゴン郊外ラインタヤ工業団地の海産物輸出工場で魚をさばく男の子。4月に発行された雇用に関する国勢調査の統計によれば、ミャンマーの10歳から17歳の子供の5人に1人が、学校に通うかわりに働いている。

10歳から17歳のうち約2割が児童労働者として働くミャンマー

「一日中石の入った籠を運んでいます」と2年間この桟橋で働くAung Htet Myat君は言う。「砂利を乗せた船が無い時には、アシスタントとしてバスの運転手の手伝いをしています」

ミャンマーの10歳から17歳の子供の5人に1人が学校に通う代わりに働いていることが2016年3月に発行された雇用に関する国勢調査の統計で明らかとなった。2011年以来市場を開放したことがきっかけとなり、労働に対する需要が急激に伸びている。

50年近くにわたる軍事政権時代になおざりにされたことから突如外資にも開放され、ヤンゴンは今や広大な建設現場と化した。

寡婦は住居と引き換えに子供たちを労働力として提供

Than Than Win氏は夫が亡くなった後、2人のの10代の息子とAung Htet Myat君と同じ桟橋で働き始めた。家族は船が到着すると即、休みなしの労働と引き換えに仲買人からお金を貸してもらう生活に依存している。

「仲買人は私たちに居場所を提供してくれますし、仕事がない時にもお金を与えてくれます」と、息子たちが砂利を背負って運ぶ横でThan Than Win氏は述べた。「私たちには返済する手段がありませんから、仲買人が働くよう要求すれば拒否することはできません」

彼女の話はヤンゴンのスラム街ではよくあることだ。「経済が急成長し地方から大勢の人々が押し掛けたためだ。人々は借金し、返済のために子供が働きに出されているのです」と、ヤンゴンを拠点とする都市の貧困問題専門家、Michael Slingsby氏は言う。

法律の執行はまれ

myanmar children

今月政権に就いたアウンサンスーチー氏の国民民主連盟(NLD)の古参党員であるMay Win Myint氏は、児童労働への対応は同党の目標の一つだと語る。

「彼らがこの国のために将来働く人々なのです。児童労働の問題が解決されなければ、ミャンマーの発展はありえません。彼らには教育が必要です」と氏は述べた。

児童労働の解決を実現するためには、1960年代前半以降で初となる自由選挙により選出された政府が、労働法の改善に取り組む必要がある。

本来13歳未満の子供は就労禁止

ミャンマーの法律では、13歳未満の子供が店舗や工場で働くことを禁じている。また13歳から15歳の若者が日中・夜間ともに4時間以上働くべきでないとしている。

「18歳以下のいかなる人も、重い積み荷を運ぶべきではありません」元英国大使でヤンゴンを拠点とするMyanmar Centre for Responsible Businessを運営するVicky Bowman氏は言う。

児童労働は建設業界以外では、ミャンマーのあらゆるところにある喫茶店で幅広く見て取ることができる。サービス業や食肉等の加工現場でも多くの子供が働いている。

9歳の子供が12時間も働く現状

国内最大の魚市場であるヤンゴンのSan Pya魚市場において、ロイター通信は、下は9歳の男女らが12時間の深夜シフトも含め、魚の洗浄加工、トラックや船からの荷下ろしを行っている現場を目撃した。

「息子にはこのような重労働をしてほしくありません」San Pyaで働く15歳の息子を持つ、Hla Myint氏(56歳)は言う。同氏は市民の多くが期待を寄せるアウンサンスーチー新政権に対し「期待を感じることはあまりない」と、川べり近くの竹でできた荒廃した小屋の自宅で語った。

「政府が何をしようと何を与えると約束しようと、この辺境まで施策が届くことはないでしょう」と言う。「変化が起きるとは全く思っていません」と同氏はつぶやいた。(ロイター通信)

元記事:As Economy Booms, Children Toil in Myanmar
【2016年5月5日 記者:Hnin Yadana Zaw & Soe Zeya Tun】

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