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【特別コラム】海外で搾取されるミャンマー人メイドたちの今

村を出て被害者に:ミャンマー女性 海外へメイドとして出るリスク

Biakさんと姉の Van Hnemさんは就業の機会の少ないチン州の地元の辺境の村を離れ、シンガポールへメイドとして働きに出た。チン州はミャンマーでも最も貧しい地域とされ、人口の73%が貧困基準以下の生活を送っている。

BiakさんもHnemさんも「海外へ出ることはリスクが高い」と認識していた。Leliet出身のあるメイドはサウジアラビアで6年間働きながら賃金を得ることができず故郷に戻る希望も持てずに過ごしている。これは決して特殊なケースではないという。

Myanmar maid problem

(写真)娘の Van Lalさんの写真を眺めるLian Mawiさん。Van Lalさんは6年前故郷のミャンマーチン州Leiletを離れ、サウジアラビアで家庭内労働に従事している。

Biakさんは当時15歳、まだパスポートを取得するには若すぎるとして故郷へ戻った。

18歳のHnemさんはミャンマーの最低賃金である約67米ドルと比較して1か月あたり370米ドル(500シンガポール・ドル)を稼ぐことができる機会に惹かれ、Leliet出身のほか6人の女の子とシンガポールへ渡った。

ミャンマー政府は女性が海外へメイドとして働くことを一時的に禁止

労働者が酷使されていると注目される事例が多く見られたことから、ミャンマー政府は2014年9月に女性が海外へメイドとして働くことを一時的に禁止した。

しかしミャンマー国内では収入増のチャンスが限られることから、家庭内労働者としての仕事を求め海外へ渡る女性は減ることはなく、むしろ違法な手段を用いて増えている。アウンサンスーチー氏率いる新政府が制裁を解くよう求める機運が高まりつつあるのだ。

 

ミャンマーの女性を海外へ行かせることを止めることができなかっただけではなく、「むしろ女性を重労働のリスクにさらす危険性が高まる闇市場へ発展している」と、移住労働者の働く権利を守るために設立されたシンガポールの非政府組織であるHumanitarian Organisation for Migration Economics (HOME)は言う。

海外で仕事を得るための借金が原因で、無報酬で働かされるケースも

メイドとしての渡航禁止勧告が行われたことで、労働者が海外へ渡り仕事を得るために支払う手数料は値上がりしている。労働者はこの借金が清算されるまで賃金を得ることはできない。支払った手数料は海外渡航を見逃すための賄賂として使われている。

さらにミャンマー人労働者らは観光客として海外へ出るため、現地での労働法や移住法に守られることがない。HOMEのJolovan Wham氏は、シンガポールのミャンマー人のメイドの数は2013年から2015年にかけて50%増加し3万人以上存在するという。禁止が効果的でなかったことが何よりの証拠だ。

ミャンマー国内の個人ブローカーがメイドの不法就労をあっせん

ミャンマー海外人材派遣企業協会(MOEAF)は当局がミャンマー国境を超える国内労働者の動きを取り締まるのが困難になりつつあると述べた。大規模の人材紹介会社が、多くの場合、個人ブローカーにとって代わられているためだ。

ミャンマーで2015年に公表された不法就労あっせん件数は130、被害者は641人にのぼった。1件もなかったのはチン州のみであった。

ミャンマー海外人材派遣企業協会が徐々に正規就労に協力

ミャンマー海外人材派遣企業協会(MOEAF)はミャンマーの人材を雇用基準に準じた形で扱うとの覚書(MOU)を2015年に香港の12の人材紹介会社と締結したが、他の国々とも同様の取引を行いたいと考えている。

MOEAFは4月に新政府が引き継いでから2度、関係者と面会している。労働局はトムソン・ロイター財団へのコメントは差し控えたが、議会の委員会において制裁を解くかが現在議論されている。

「新政府からの許可を待っている状態です。シンガポール、香港、マカオや日本等良い報酬と労働条件が整っている国々と覚書を締結する準備は整っています」とWin Tun氏は言う。

しかしその間、活動家らは何千人ものチン州やミャンマー国内の女性が非合法的な手段で家庭内労働者としての仕事を探し求め、結果として重労働、密売や搾取の危険にさらされる危険があることを恐れている。

本記事は人道主義関連のニュース、女性の権利、密売、財産権、気候変動を取り扱うトムソン・ロイターの慈善活動部門のトムソン・ロイター財団によりはじめ発表されたものである。

元記事:From Village to Victim: Myanmar Women Fear Ban on Working As Foreign Maids Puts Them at Risk
【2016年6月16日 記者: Katie Arnold】

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