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ミャンマー 経済成長率 6.8% インフレに潜むリスクとは

ミャンマービジネス

ミャンマー 経済成長率 6.8% インフレに潜むリスクとは

世界銀行(WB)の報告書で、ミャンマー経済の今年度の成長率が6.8%であることが発表された。

なお、中期的な予想でも、天然ガス生産による銀行業務の活発化、貿易、農業面の強化により6.9%までの上昇が見込まれる。東南アジアの新興諸国全体では近年、ガス生産、サービス、インフラ構築、海外直接投資、輸出増加等に後押しされ、昨年度も高い成長率(6.5%)を示していた。

スタンダードチャータード銀行(本拠:ロンドン)・ミャンマー支部代表のティナ・シンサーチャ氏は、ミャンマービジネストゥデイの取材に対し「この国は現在、改革した成果を楽しんでいる。投資やインフラ計画、貿易の増加で、今後も一定の成長をしていくだろう。」と、今回の数字は当然の結果であることを強調。

いっぽうで世界銀行は、短期~中期的に見て肯定的な意見が取り沙汰される中、国外と国内の両面から危険性についても指摘している。

ミャンマーは約600項目に及ぶの輸出入許可、新外国投資法の可決と施行、民間保険会社へのライセンス発行、50年間で初めて汚職・腐敗行為禁止を規定するなど、様々な制度改革を行ってきた。ASEAN他地域の平均成長率5.1%を上回る経済成長が見られるものの、最大7.3%(8月)となる食品・家賃等を巻き込んだ急激なインフレを誘発。

世界銀行のミャンマー経済モニター(MEM)からは、「改革の勢いに合わせた国内外の動きが進むその一方で、中国の国内投資が冷え込み、世界全体の物価下落に転じれば、ミャンマーにも影響が及ぶ恐れがある」という報告がなされていた。

シンサーチャ氏は、

「インフレは今のところは低下したが、未だインフレリスク(貨幣価値の低下等)をはらんでいる。このインフレはもともと貨幣価値の低い中で起きてきたものだが、現在の住宅事情に代表される『供給重視だが、数に限りがある』という状況を考えれば、経済成長促進は、また直ぐにインフレを招く。当局は、現在行われている金融制度改革の中で、貨幣供給増加を予期した調整機能を構築するべきだ」と、金融制度に改善の余地があることを指摘。

世界銀行のミャンマーエコノミストを務めるメイテジン氏も、

「ミャンマー側として見れば、『急激なインフレは偏って貧困層に影響を及ぼしているものの、過去にも経済の動きで度々インフレは起こってきた。上昇率が1桁に留まっているので、まだ騒ぐには及ばない。』ということ。制御し切れなくなる前に、看過してはならない重要な問題。」と、注意を促している。

以下、MEMの主な報告内容。

・実質実効為替レート

1ドル=975チャットを記録していた7月以降下落。8月~9月には「輸出好調に歯止めを掛けるのでは」という懸念も起きた。

・経常収支

赤字。GDP内2.4%(2011年度)から4.4%(2012年度)と増加傾向。輸入自由化と為替規制緩和によるものだと見られる。

・財政

赤字。GDP内4.6%(2011年度)から3.7%(2012年度)に減少傾向。防衛予算は高い水準を保ちつつ、2013年度予算は支出に備え、社会分野への配分が見られた。3ヶ月分が通例とされる外貨準備高は40億ドル(2011年度)から46億ドル(2012年度)数字を伸ばし、3.7か月分を達成した。

・海外直接投資

19億ドル(2011年度)から27億ドル(2012年度)へに上昇。直接投資はエネルギー、衣料、食品、情報技術等、すべての分野に活用される。ミャンマー投資委員会(MIC)からの情報で、9月における5400万ドルの投資フローについて、その大多数は生産、農業、採鉱、ホテル、観光に割り当てられたことも分かった。

世界銀行・MEMでは現在、政府がビジネスを活性化するための様々な改善計画・制度改革に注目しており、マクロで見た開発、政策改革の計画・実行の経過、特集記事のモニター活動に力を入れている。

世界銀行のミャンマー担当マネージャーのカンタン・シャーカー氏は

「定期的な最新の経済データや、政策担当者、シンクタンク、国民それぞれが分析した開発における問題点の精査。そこから、開発政策についての討議・決定内容を通知していくことが、変貌を遂げるミャンマーに寄与できることだと考えている。」と語り、

 

同じく世界銀行でミャンマー上級エコノミストを務めるクウィマ・タラ氏も「自分達が統計データ、最新経済情報・国の政策開発状況を提供して、色々な業界の人達が良い方向へと進む助けになれば」とMEMの展望を述べた。

 

記事番号:2013111402
【2013年11月14日(ヤンゴン)記者:Kyaw Min & Sherpa Hossainy】

 

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