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アウンサンスーチー氏 EU代表団に訴え

アウンサンスーチー氏 EU代表団に訴え

アウンサンスーチー氏 EU代表団に訴え

ミャンマー国民民主連盟(NLD)アウンサンスーチー氏は、ヤンゴン・ネーピードーで開催された「EU・ミャンマー特別対策本部」に参加した。

スーチー氏はEU代表団とミャンマーの代表ヤンゴンが集まる商工会議所(UMFCCI)本部内で「実現するには長い道のりだと思うが、ミャンマー政府に対し、法の徹底と、軍政時代に制定されたものから『クリアな投資』を可能にする憲法改定へ向けて、引き続け訴えかけてほしい」という旨の演説を行った。EU代表団からはCatherine Ashton外交政策委員会委員長、Antonio Tajani産業委員会副委員長、開発委員会のAndris Piebalgs氏らが出席していた。

スーチー氏は冒頭で「全ての人に言えるのは、別の所で起こっている様々な活動、憲法改正の必要性を軽視してビジネスや投資を促進していくことは、理に適っていないということ。」と発言。

軍事時代の2008年の決裁事項によると、スーチー氏はMichael Aris(故人)を夫に持ち、2男をもうけたため、「外国人との婚姻または外国人との子供を持つ者」という欠格事項に該当し、大統領になることができない。これは、議席の4分の1を占める軍人議員を保証した国会となっていることが伺え、主に連邦制度への動きを要求している市民グループからは、この条項に関しても反対している。

スーチー氏の政治批判に対する責任の矛先は、大統領側近にも関わらずスピーチの構成に関して言及しなかったSoe Thane大臣に向けられたが、Soe Thane大臣は、「時間を節約するためにそうした」と回答した。

ビジネス・投資に関することについては、

「自分のために利益を得る専門性のある実業家がミャンマーに来ることも私は良いと考えているが、私たちもあなた達から利益を享受できる、信頼できる方法を見極めて欲しい。その責任について話す場合は、単に社会的責任ではなく、政治的な責任も含まれることを理解してほしい。それが本来「責任」という単語の意味ではないだろうか。

私は、『ミャンマーに投資の投資は保証されています』とは言わない。でも、私たちがあなたの投資を保証出来るよう手を尽くす。憲法改正が外国投資をより安全にし、ミャンマーという国をさらに安定させるはずだ。私たちは、海外のビジネスマンには障害・制限のあるミャンマーではなく、広い眼を持った状態で来て欲しい。あなた方が投資を望むのなら、その投資保護環境を整えるのに協力してほしい。」現状はまだ「可視化され、継続も可能な投資手法」に無いことを強調。

スーチー氏のスピーチを聴講したAshton外交政策委員会委員長はイベントについて、

「特別対策本部の役割は訪問プロジェクトのためだけにあるわけではないが、今後も提起されるプロジェクトだと思う」とし、テインセイン大統領の「疑似の文民政府」が2011年に政権を握った以降の改革にスーチー氏も一定の評価を示していること語った。

また、スーチー氏が特別対策本部にビジネスマンをはじめ政治家、市民社会グループをミャンマーへ誘致するのを期待していることについては、「私たちが描く未来像は、ミャンマーの人々が豊かになっていくこと。未来に希望が持て、自由な民主国家野中権利が尊重されて、その希望が叶うことだ。」とコメントしている。

ミャンマー側として参加したSoe Thaneは、特別対策本部の姿勢に対し、

「ミャンマーが民主主義へ少たゆまぬ努力をしていくと国際社会に呼びかける中、沈滞から抜け出すためのサポートしてくれている。私達は、理想論を言うなら一晩に100個の法改正をしたい。だが、それほど迅速な行動が取れないのは、自分たち自身でよく分かっている。

固執しながらも正しいペースを保つことが出来ることであり、そんな目標の中でのマネジメントを手伝って欲しい自分達だけでは、完璧になれない。勾配な坂のような状況だったことを考えれば進歩出来たと思うが、これからもビジネスとしての繋がり、支援、知識の共有といった協力はミャンマーにとって必要不可欠。」と、感謝の意を示す。

信頼あるミャンマー経済活動を目指す団体「ミャンマーセンター・フォア・レスポンシブル・ビジネス(MCRB)」のVicky Bowman氏は、国家レベルで行われる投資の状況について、「ここで動いているビジネスの調査・投資というのは他国と比較しても圧倒的に多い。そこで私たちは博愛主義のような要素でなく、会社の責任やミャンマー社会へのインパクトを大事にしている。ビジネスとして機能させていくのであれば、問題の透明化と信頼性と言った点でまだ疑念が残る。」と率直な感想を漏らし、ミャンマーに進出するビジネスコミュニティとのやり取りで度々出てくる「企業の社会的責任(CSR = Corporate Social Responsibility)を」「持続可能な投資を」という決まり文句の意味を改めて問いかけた。

また、「国民と政府の間に信頼関係は無いに等しい。 国民は権威をしていないので信託業もやらない。ミャンマービジネスは地元コミュニティーの獲得が鉄則で、そうでなければ『銅山』で終わる。」と、中国が推し進めるも地元住民の反対で大幅な遅れを取ったザガイン管区レットパダウン鉱山開発で生じたカントリーリスクになぞらえて、警鐘を鳴らした。

最後に、開発委員会のPiebalgs氏からは「ミャンマーで行われる開発の展開はまだ前例がなく、承認が必要だが、我々はチャレンジ精神を忘れず、ミャンマー改革継続に向けた1協力者として近い距離でサポートしていきたい。」と述べられ、EU側の前向きな姿勢が伺えた。

EUは欧州議会と欧州理事会からの審議によっては、支援資金額は1年当たり1億2000万ドルにまで増加する見込みで、農村開発、教育、和平競技等の分野に投入される。その後のイベント内では、スーチー氏とAshton外交政策委員会委員長は、市民社会グループとの会合を設けたが、報道陣には非公開となった。

 

記事番号:2013112102
【2013年11月14日(ヤンゴン)記者:Oliver Slow】

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