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MBT特選コラム

ミャンマーでクリエイティブ産業の後押しに、知的所有財産権法の必要性を訴え

手工芸品メーカーら、クリエイティブ産業を後押しすべく知的所有財産権法の必要性を訴える

ミャンマーの手工芸品の起業家らは芸術家・ミュージシャン・手工芸品分野における先駆者を守るべく、政府に対して知的財産権を守るための法整備を早急に進めることを求めた。

「手工芸品分野も含め、知的財産権はミャンマーではなくてはならないものである」と、Myanmar Arts and Crafts Association事務局長のDaw Ei Ei氏はヤンゴンで行われた記者会見で語った。

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【特別コラム】ヤンゴンの縫製業界、EUの後押しで珍しい成功事例

課題の多いミャンマー衣料品業界、EUが支援する工場が増加

~ヤンゴンのランタイヤ工業地帯にある縫製工場はミャンマーの衣料品業界でも珍しい成功事例~

清潔で真っ白な作業台、湿度が一定に保たれた室内、そして煌々と灯る蛍光灯のあるランタイヤのBogart Lingerieの工場の品質管理部門は、衣料品工場と言うよりまるで医療研究施設のようだ。

ヤンゴンのこの工場内では労働者が工場の生産ラインで完成したばかりのブラジャーや下着を仕訳し、ヨーロッパ、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの小売店舗へ梱包・送られる前の製品の不良品チェックを行っている。

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【ヤンゴン・ルポ】様々な面で感じる、ミャンマーの観光地への変化

ミャンマーは今まさに『旅行しやすい国』に変貌している

こんにちは、2年半ほど、アジアで放浪生活を続けているくみです。(ブログ:http://jp.kumi-log.com)2016年5〜6月にミャンマーを訪問した時に感じた事を『ヤンゴン・ルポ』として寄稿させて頂いています。

目次

  • 1 『ミャンマーに早く行かないと、ホテル代が高騰して大変だ』
  • 2 思ったよりも安く、高騰状態にはなかった宿泊代
  • 3 バガンに西洋人向けの洗練されたホステルができていた
  • 4 ミャンマーが観光に向けますます開かれていく事を実感

『ミャンマーに早く行かないと、ホテル代が高騰して大変だ』

こんな事を言われた経験はないでしょうか。

ヤンゴンの発展に伴いホテル代がどんどん高騰しているから、ミャンマーには今のうちに、出来る限り早く行った方がいい。2014〜2015年にかけて、私は何度か異なる人からそんな風に言われた記憶があります。

残念ながらそれまでのミャンマーを私は実際に知らないのですが、今回訪れるまで、私の中に『ミャンマーは宿代が高く、どんどん値上がりしている』という先入観がすっかりできていました。

思ったよりも安く、高騰状態にはなかった宿泊代

ところが、今回ヤンゴンを訪れたところ、事前に聞いていたような状況では全くなく、肩透かしをくらいました。
確かに他の東南アジアの都市と比べると、比較対象によってはやや高いと思う事もなくはないですが、取り立ててヤンゴンは高い!と言いたくなるような値段ではありません。

ヤンゴンのホステル

今回ヤンゴンで泊まったホステル。シングルルーム25USドル、ドミトリー13USドル程度。

どうも、2014〜2015年にかけて高騰した宿泊相場が、2015年後半ほどから?、以前のように落ち着いてきたという事のようです。原因の考察まではできていないのですが、これがヤンゴンの外国人観光客の増加に寄与するであろう事は間違いありません。

実際に来るまでは『両替はUSドル新札のみ、SIMは高額で入手が大変、宿代は高騰中』と、どこを切っても手軽な旅行先としては聞こえなかったのですが、来てみればATMもあるしチャット入手はそんなに困らず、トラベラーズSIMもモバイルデータプランもあり、宿代も普通の東南アジア並みと、ミャンマーは今まさに『旅行しやすい国』に変貌しているのだな、という印象を受けました。

バガンに西洋人向けの洗練されたホステルができていた

さて、この時はヤンゴンだけではなく、世界三大仏教遺跡のひとつと称されパゴダの点在する神秘的な光景で有名な、マンダレー地方にある都市・バガンも訪れました。

バガンの風景

前半はリーズナブルと聞いていたニャウンウーの町、後半は少し高めと聞いていたニューバガンに泊まりました。
(余談ですが、6月という特に祝日のない時期にも関わらず、バガンでは何人もの日本人観光客を見かけました。バガンの人気の高まりを感じました)

ニャウンウーでは普通の値段相応と思える宿に泊まりましたが、ニューバガンに来て驚きました。とても洗練された、欧米人の集まるホステルがありました。このような雰囲気のホステルがバガンにあるとは。ニャウンウーの様子からは全く想像していませんでした。

ミャンマーっぽいか?と言われたら私の答えはNoですが、ゲストの参加できる様々な日替わりイベントや居心地の良い広めの共有スペースなどが設けられた、魅力的な宿泊施設です。

高めのホテルに滞在する層といわゆる安宿に宿泊する層との間の、節約して旅行はしつつバックパッカーよりも経済力を持つ外国人観光客(近年ではフラッシュパッカーと呼ぶそうです)を、国外からバガンに充分呼ぶ事ができるだろうな、と思いました。私が滞在していた間は、雨季にも関わらず多くのゲストで賑わっていました。

バガンの西洋人向けホステル

ツイン/ダブル45USドル、ドミトリー18〜22USドル。レストラン・バーが併設されています。

このホステルは2015年の2月にオープンしたそうで、元々はイタリア・ミラノのホステルグループなのだそうです。このようなレベルの宿泊施設ができる事で、この地域のホテルのレベルがますますあがっていくのではないかと思えるクオリティでした。

ミャンマーが観光に向けますます開かれていく事を実感

初めての訪問なのでミャンマーのたどってきた流れをまだ把握できていないところがありますが、今回見た範囲では宿にしても前回取り上げたSIMにしても、ミャンマーは外国人向けの観光地としてかなり魅力的に整ってきているのだなという事を強く感じました。

ヤンゴン〜バガン間の長距離バスも他の東南アジアに比べ非常にサービスとコストパフォーマンスが高く、満足の行くものでした。

旅行者として不満があったところといえば、電気・水道・道路状況・インターネットなどの生活インフラですが、言い方を変えれば、あとはインフラが向上すれば外国人向けの観光地として大変化けるのではないでしょうか。

観光客が多くなればそれに伴う変化や起こる問題も出てきますので、その時ミャンマーがどのように変わっていくかというのは懸念としてあるとは思いますが、大きな変化のうねりにいるのだろうというその事だけは、初めて訪れた私でも肌でびりびりと感じる事のできたミャンマー訪問でした。

___________________

※はじめてヤンゴンに行く場合、パゴダ(寺院)巡りなどが定番。現地オプションツアーを提供するVELTRA では、日本語ウェブサイトから現地を案内する日本語ガイドや車の貸切り手配が可能です。日本語で事前予約も可能でき、はじめてヤンゴンを訪れる場合は現地理解を深めるためにもオススメです。

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【特別コラム】スマートフォンがミャンマーの生活を変える

スマートフォンが変えるミャンマーの生活、携帯普及率は3年で9倍に

最近10年間ミャンマー都市部で暮らしてきた人ならば、目まぐるしい変化を目の当たりにしてきたことだろう。

特にミャンマーにおける大きな変化は、人々が携帯スマートフォン端末を所有し始めたことと、それに伴い人々がアクセスすることのできる情報量が格段に増えたことだ。通信事業者3社は日々顧客を獲得するための戦いを繰り広げており、結果SIMカード、通話やパッケージ代の料金が下落している。

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2014年から現在までの間は基本的な音声サービスと2Gサービスが主流であった。闇市場ではSIMカードに100から200米ドルの価格がつけられていた時代。しかし、たった2年で高品質の音声サービスや3Gサービスがミャンマー国内のほとんどの場所で利用でき、SIMカードは1,500チャット(1米ドルを少し上回る価格)で購入することができるようになった。

ミャンマー国内の携帯普及率は2017年に100を突破

携帯電話の普及率は2013年の10%未満から今日は90%以上に上昇している。かつてない普及率の成長の早さだ。市場そのものも驚異的な成長をとげており、2017年までには一人一台、つまり普及率が100%を超えると予測されている。

ミャンマーでは2015年には人口の約50%の人々がスマートフォンを保有している。これはインドネシアの21%、フィリピンの22%と比較して大きい数値だ。またタイの59%、マレーシアの65%という数値にも迫る勢いだ。

フィンテックの潮流がミャンマーにも到来か

telenor tourist SIM card

銀行口座を持たない人々を減らす手段としての携帯電話の可能性は無限だ。ミャンマーでは平均で10万人あたりの銀行支店数は約3つである。近隣諸国と比較すると非常に少ない。携帯端末の普及は、銀行にとって物理的な支店を必要とせず、顧客と取引を行うための非常に大きな機会と言える。

三社の通信事業者ともにモバイルマネーのサービス展開を準備をしている段階で、実現すれば何百万人の人々が預金、送金、支払をモバイルアプリケーションを通して行うことができるようになる。ミャンマーの現金主義社会を転換させる可能性があるのだ。

スマートフォンの普及で医療や農業分野でも恩恵、ミャンマーでもクリック1つで農薬が買える時代に

現在ミャンマーでは健康や保健の面で、医療そのものや医療センターへアクセスが限られているが、携帯電話の普及により移動型の健康・保健サービスにも革新がもたらされる可能性がある。低コストの健康・保健サービスのメリットは非常に大きなものだ。

データパッケージを手頃な価格で入手することができるようになったことで、ミャンマーの農産業も開発の恩恵を受ける可能性がある。長期的な天気の傾向や予報、穀物価格、最新のサステイナブルな肥料はクリック一つで手に入れることができるのだ。付加価値サービス(VAS)は在庫管理を行う栽培農家の役に立つ。

 

元記事:Smartphones Transform Myanmar’s Way of Life
【2016年9月1日 記者:Damien Dujacquier】

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【特別コラム】ミャンマーの森林破壊、東京ドーム11.6万個分が被害

森林破壊阻止に向けミャンマー天然資源環境省が新政策を提言

ミャンマーの天然資源環境省(MNREC)によれば、政府は安定的な木材切り出しを実施することができるようになるまで、今年度から完全に木材の切り出しをやめる計画だ。

「今年は完成品に利用するための充分な木材があります。来年に関しては、状況に応じて正しい方針を設ける予定です」ミャンマー国内の需要向けに充分な木材を提供するため、適切な方策を設けたのち、木材の切り出しは完全にやめる予定です」と天然資源環境省主任のKyaw San Naing氏は述べた。

deforestation tree myanmar

(写真)シャン州の森林伐採された地域

 

ミャンマー通常国会の会期中、Ohn Win大臣は2016-17年度から全国的な木材の切り出しをしない姿勢を示した。

国営のミャンマー木材公社は国内の木材の需要を満たすべく、年次で地元の入札を求めており、2016年にチーク材を1万5千トン、硬材を35万トン販売する予定だ。

関連団体からは木材の輸入を求める声

ミャンマー木材小売協会の担当次官であるBar Bar Cho氏は、政府に対して必要に応じて木材の輸入を許可するよう求めた。

「国産木材のみで国内需要を満たすことはできません、輸入をすべきです。ミャンマーは今まで輸入したことはありません。人々は木材だけではなく、他の材料からできた家具も購入しますので、輸入は必要かもしれませんし、不要かもしれないのです」と氏は述べた。

ミャンマーの森林被害は、東京ドーム11.6万個分の敷地面積に及ぶ

2010年から2015年にかけて54万6千ヘクタール近くのミャンマーの森林が森林破壊の影響を受けた。森林は国内のおよそ4分の1の面積を占めるべきだとされている。森林局の統計データによれば、木材の切り出しが2014年4月に禁止されるまで、木材生産は190万トンに達していた。

ミャンマー政府の政策は商業伐採に反対し、森林資源を保護する立場へ傾いている。木材の切り出しは2015-16年にかけて70万トン減少した。

識者はミャンマーの木材伐採で地球環境に与える影響を指摘

「ミャンマーは森林の保全と管理を欠いたため森林面積は徐々に消失し、残された森林における良質な木材を切り出すことのできる場所は脆弱なものとなりつつあります。森林資源は荒廃しており、環境や気候変動に影響を与えています」とEcoDev会長のWin Myo Thu氏は述べた。

天然資源環境省は2025-26年まで今後10年間の 国家森林マスタープランを策定し、安定的な木材の切り出しを行うことができるよう、森林分野における体系的な管理を行う展望を打ち出している。計画にはミャンマー国内の7つの州や地方域、ネピドーを含む68の県が含まれている。

計画の中の活動にはチーク材や硬材向けの苗木をプランテーションの再生のために植樹、既存の森林の保護と保全、木材の切り出しに対する規制が県ごとに行われる予定だ。

元記事:Ministry Proposes New Policies to Stem Deforestation
【2016年7月5日 記者:Phyo Thu】

<関連リンク>

林野庁の各国関連情報-ミャンマー
ミャンマー、伐採1年禁止 「9割方実施へ」森林急減に危機感 (Sankeibiz)

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【特別コラム】ミャンマーの熱帯雨林を守れ。プランテーション開発停止を求める声
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【特別コラム】海外で搾取されるミャンマー人メイドたちの今

村を出て被害者に:ミャンマー女性 海外へメイドとして出るリスク

Biakさんと姉の Van Hnemさんは就業の機会の少ないチン州の地元の辺境の村を離れ、シンガポールへメイドとして働きに出た。チン州はミャンマーでも最も貧しい地域とされ、人口の73%が貧困基準以下の生活を送っている。

BiakさんもHnemさんも「海外へ出ることはリスクが高い」と認識していた。Leliet出身のあるメイドはサウジアラビアで6年間働きながら賃金を得ることができず故郷に戻る希望も持てずに過ごしている。これは決して特殊なケースではないという。

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【特別コラム】ミャンマーの熱帯雨林を守れ。プランテーション開発停止を求める声

ミャンマーの熱帯雨林を守るためプランテーション開発の一時停止を求める

Fauna & Flora International (FFI)は及ぼされる影響に対する理解が深まり、より強固な政策が整備されるまでパーム油の原料となるアブラヤシのプランテーション農場開発を差し止めるよう、ミャンマー政府に対し求めている。

Myanmar palm plantation

(写真)パーム油産業における政策・運用がタニンダーリ地方域におけるサステイナブル(持続可能)でない開発をあおっている

英環境保護の非政府組織であるFauna & Flora International (FFI) はミャンマー政府に対し、ミャンマー最後の低地雨林であるタニンダーリ地方域のアブラヤシの開発を停止するよう要請した。

開発停止要請は南部におけるアブラヤシのプランテーション農場の生産性とサステイナビリティに関する報告書が発効されたことを受けて行われた。報告書ではパーム油産業における貧弱な政策や施行が、変化に富んだ多様な景観における持続可能でない開発をあおっていると述べる。

環境保護団体FFIはアブラヤシ農場拡大停止を求める

oil palm myanmar アブラヤシのプランテーション農園

報告書を依頼したFauna & Flora Internationalは調査の結果、徹底的な環境・社会面の評価が完了し、アブラヤシのプランテーション農園がミャンマーの森林を傷つけることがないよう政策が整備されるまで国内のアブラヤシ農場拡大の動を一時停止すべきだと強調する。

ミャンマー南部のタニンダーリ地方域(上地図)はタイ半島の陸上熱帯雨林の最後の砦である。マレー半島の常緑の熱帯雨林と北部の季節雨林の間に位置し、熱帯雨林の形としては珍しく他では見られないタイプのものだ。

森林は虎やクロハラシマヤイロチョウを含む多種多様な野生生物を支えるとともに、カレン族、モン族、ダウェイの人々などの地元コミュニティに対して水利用の調整、砂防、非木材林産物などの生態系における重要な役割を果たしている。

プランテーション開発はミャンマー政府の政策

ミャンマー政府は1999年、表向きには輸入依存を軽減し地方インフラを改善する名目で、外国投資の誘致に踏み切った。タニンダーリ地方域において、国内アブラヤシ産業の急速な拡大を推し進めたのである。政府は2030年までに28万3,280ヘクタールのアブラヤシを植林すると目標を掲げ、ミャンマーの大企業やいくつかの外国投資家に対して土地の権利を与えている。

環境基準などの調査検討なき開発がもたらした結果

報告書によれば地元住民の土地占有、森林、水資源、絶滅の危機にある動植物の保護、そしてアブラヤシの土地のサステイナビリティに対し、検討はほぼ行われなかったと言う。施策の結果、アブラヤシ産業はサステイナブルかつ健全でない状況に陥り、社会・環境・経済面で困難な状況に直面している。

FFIはまずミャンマーのアブラヤシのプランテーション農場の開発予定地の適切な(すでに荒廃した)土地の可用性、生産性向上の可能性、食用油の輸入と国内生産を比較した経済予測に基づいて再評価することから取り組むべきだとしている。

元記事:Conservation Group Seeks Oil Palm Moratorium to Save Myanmar Rainforest
【2015年5月24日 記者:Tin Mg Oo 】

<参考リンク>

アブラヤシ (Wikipedia)
Fauna & Flora International (FFI)

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【特別コラム】9歳児が働く。ミャンマーの児童労働問題

好景気の陰、ミャンマーの児童労働

ヤンゴンの桟橋に砂利を乗せた船が停泊すると、14歳のAung Htet Myat君は籠をいっぱいに詰めた後、それをトラックまで背負って運ぶ。トラックは少年の背負った荷物を成長著しいミャンマー国内で次々に誕生している建設現場へと運ぶ。

作業の仲買人は少年が一つの籠を運ぶごとに棒を与え、少年はベルトにくくりつけられたペットボトルにその棒を入れる。繁忙期には最長24時間となることもある勤務が終了すると、少年は棒を換金する。100籠運んでおよそ2.50米ドルだ。

Child labour worker Myanmar

(写真)ヤンゴン郊外ラインタヤ工業団地の海産物輸出工場で魚をさばく男の子。4月に発行された雇用に関する国勢調査の統計によれば、ミャンマーの10歳から17歳の子供の5人に1人が、学校に通うかわりに働いている。

10歳から17歳のうち約2割が児童労働者として働くミャンマー

「一日中石の入った籠を運んでいます」と2年間この桟橋で働くAung Htet Myat君は言う。「砂利を乗せた船が無い時には、アシスタントとしてバスの運転手の手伝いをしています」

ミャンマーの10歳から17歳の子供の5人に1人が学校に通う代わりに働いていることが2016年3月に発行された雇用に関する国勢調査の統計で明らかとなった。2011年以来市場を開放したことがきっかけとなり、労働に対する需要が急激に伸びている。

50年近くにわたる軍事政権時代になおざりにされたことから突如外資にも開放され、ヤンゴンは今や広大な建設現場と化した。

寡婦は住居と引き換えに子供たちを労働力として提供

Than Than Win氏は夫が亡くなった後、2人のの10代の息子とAung Htet Myat君と同じ桟橋で働き始めた。家族は船が到着すると即、休みなしの労働と引き換えに仲買人からお金を貸してもらう生活に依存している。

「仲買人は私たちに居場所を提供してくれますし、仕事がない時にもお金を与えてくれます」と、息子たちが砂利を背負って運ぶ横でThan Than Win氏は述べた。「私たちには返済する手段がありませんから、仲買人が働くよう要求すれば拒否することはできません」

彼女の話はヤンゴンのスラム街ではよくあることだ。「経済が急成長し地方から大勢の人々が押し掛けたためだ。人々は借金し、返済のために子供が働きに出されているのです」と、ヤンゴンを拠点とする都市の貧困問題専門家、Michael Slingsby氏は言う。

法律の執行はまれ

myanmar children

今月政権に就いたアウンサンスーチー氏の国民民主連盟(NLD)の古参党員であるMay Win Myint氏は、児童労働への対応は同党の目標の一つだと語る。

「彼らがこの国のために将来働く人々なのです。児童労働の問題が解決されなければ、ミャンマーの発展はありえません。彼らには教育が必要です」と氏は述べた。

児童労働の解決を実現するためには、1960年代前半以降で初となる自由選挙により選出された政府が、労働法の改善に取り組む必要がある。

本来13歳未満の子供は就労禁止

ミャンマーの法律では、13歳未満の子供が店舗や工場で働くことを禁じている。また13歳から15歳の若者が日中・夜間ともに4時間以上働くべきでないとしている。

「18歳以下のいかなる人も、重い積み荷を運ぶべきではありません」元英国大使でヤンゴンを拠点とするMyanmar Centre for Responsible Businessを運営するVicky Bowman氏は言う。

児童労働は建設業界以外では、ミャンマーのあらゆるところにある喫茶店で幅広く見て取ることができる。サービス業や食肉等の加工現場でも多くの子供が働いている。

9歳の子供が12時間も働く現状

国内最大の魚市場であるヤンゴンのSan Pya魚市場において、ロイター通信は、下は9歳の男女らが12時間の深夜シフトも含め、魚の洗浄加工、トラックや船からの荷下ろしを行っている現場を目撃した。

「息子にはこのような重労働をしてほしくありません」San Pyaで働く15歳の息子を持つ、Hla Myint氏(56歳)は言う。同氏は市民の多くが期待を寄せるアウンサンスーチー新政権に対し「期待を感じることはあまりない」と、川べり近くの竹でできた荒廃した小屋の自宅で語った。

「政府が何をしようと何を与えると約束しようと、この辺境まで施策が届くことはないでしょう」と言う。「変化が起きるとは全く思っていません」と同氏はつぶやいた。(ロイター通信)

元記事:As Economy Booms, Children Toil in Myanmar
【2016年5月5日 記者:Hnin Yadana Zaw & Soe Zeya Tun】

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ワイン老舗ブランド「ハーディ」物語

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現在、オーストラリアは世界の4番目に大きなワイン輸出量を誇っており、その量は毎年約7億5000万リットルである。そしてその半分以上は、南オーストラリア州に位置するアデレード市より車で2、3時間離れた場所で生産されている。

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